富士山登山日記 2006年

2006-08-27

富士山登山日記 2006年

●予算

  必要経費:14800?  これに、有料のトイレチップ代とお土産代♪

 2006/8/26(土)~8/27(日) 天気:晴れてた?

東京出発~5合目 

新宿で友達と待ち合わせ、一路バスが待つ乗り場へ。お仲間の数が半端じゃないくらいいるのにちょっと勇気づけられる。登山の格好した人が一同に新宿西口に集まっています。まずは乗り遅れなかったことに一安心。一人暮らしをしていたので、自分が寝坊したらすべておしゃか。よかったです。でも、ここで気づきました。富士山のために買った、ピッカピッカのステッキ、下の部品を世田谷の道端に落としてきたことに……。

-- 使えないじゃん! 手でつかむ上の部分しかない空洞の管と化した1本。せっかく2本買ったのに、1本使えない状態という悲しい出来事も、「ま、いっか」と思えるくらい、ちょっと期待に満ちた出発でした。

新宿~のバスはやはり渋滞に巻き込まれたとはいえ、まあしょうがないっかって思える程度の渋滞でした。富士山の山閉め初日なので、まあシーズンをちょっとははずしたので、それが功を奏したのかもしれません。おやつを食べつつ何だかんだで、予定より1時間半くらい遅れて5合目に到着しました。

5合目

みはらしというお店の上に案内されました。ここがこのツアーの休憩所のなっているそうです。帰りの温泉の荷物はここに置いていっていいそうです。……鍵つかないけどね。^^; ザックの中身を整理。渋滞ということでお昼はバスの中で食べちゃったので、ゆっくりとザックの中身の整理と、だらーとすごしました。

でもはじめての富士山でものめずらしいので(友達は二回目。5合目までは来たことがあるらしい)、写真撮ったり、お土産屋さんをのぞいたり、初の有料トイレに驚いたりして、1時間はあっという間にたちました。

みはらしの隣にある大きな建物がレストハウスとかいう建物で、その地下に有料トイレがあるんですが、ここ水を流そうとすると泡がでるんです。はじめてみました、泡トイレ。汚いし、……山ってこういうものなのかなっとも思い直しました。

富士山は水がないので、手を洗う水もあんまり出ません。栓をきつくしてるのか、本当に水がないのかはわからないけど、これもカルチャーショック。自分がいかに水に恵まれて育ってきたのかちょっと感じたはじめての体験でした。

バス到着が遅れたため14:30~の登山開始が1時間送れちゃいましたが、いよいよ15:30、ちょっと遅いけど、出発です!

5合目~6合目 

今回のツアーは、5合目から宿泊する山小屋まで案内人付きのプランです。山登るんだ、この人……というちょっと意外な小太りのおじさんでした。屈強な山男を想像していたので、ちょっとどころじゃなく意外だったんですが、おっちゃんはさくっと準備体操をして、すぐに歩きはじめたのでした。

とにかくゆっくり歩いてね、というアドバイスの元、ゆっくり進みます。本当にゆっくりなんだなって思えるスピードです。ツアー以外の個人の人とかは普通に追い抜かしていきます。でも、案内人の人がいうんだから、きっとこれが高山病にならない良いペースなんだろうなっと思いつつ着いていきました。

てくてく歩くと、谷側に大きなくぼみがあったり(道が陥没してた。来年は通れるんだろうか、ここは^^; と思える陥没。←4年後の2009年追記:ここの陥没は毎年広がっていて、2009年にはかなりすごいものになっていた)

 5号目~6合目のお中道にある陥没

山側を見れば急斜面に、高山植物ががんばって咲いている風景なんかも楽しめます。今思えば、トレッキングコースっぽいところはこの5合目~6合目の間しかありません。植生を楽しむのはここがいいかもしれません。高度が上がれば上がるほど、森林限界に達します。
 高山植物のところでおっちゃんが止まって説明してくれたり、看板のあるところで、「これから本格的に登山ですよー」みたいな脅しをしてくれたりと、なるほど案内人が着くというのはこういうことなのかと思いながら着いていきます。

でもまだまだ初めてのことばかりでペースをつかめず、通常45分(たぶんこのツアーでは1時間強)の道のりが、すごく長く感じました。

6合目~7合目 

さて6合目・安全センターとかいうところに到着すると長い休憩です。6合目手前までいい天気なのに、6合目の吉田口合流付近はガスが立ち込めていました。ちょっと離れただけでこんなにまわりの雰囲気が違うことにちょっと戸惑いながらも、死んだように休憩を取りました。

ここまで大きな休憩を3回くらいとりましたが、なんかもうぐったりです。しかも、吉田口合流付近から上を見上げれば、いかにも「登山道」という雰囲気のジグザグ道が永遠続いているのが見えます。……あれ登るのかい。^^; それでも「あんまり段差がないところを登ってください」とアドバイスをもらい、ひたすらジグザグ道に挑みます。

急斜面がツライです。ひたすら登り続けます。さっきまでのトレッキングコースは、上がったり下がったりが若干あったんですが、6合目からはひたすら登り。富士山は高いんだなっと改めて感じました。

ジグザグで一休みしたいけどおっちゃんはマイペースに進んでいきます。体力がない人は先頭にきてください、と言われていたので素直に先頭にいたんですが、このあたりから、けっこう抜かれてきました。休憩時間をたっぷりとるためにも先頭付近にいたいので、がんばって先に戻ろうとするんですが……足がゆうことを利きません。

富士山の前に、高尾山とかさ丹沢とかさ……ハイキングとか足慣らしをしてから行くべきだなっと思いました。はじめての登山で富士山を挑んだのですが、これ、無謀だと思います。やった私がいうのも何ですが……。

そんな無謀なことをしてきたツケか、ジグザグ道の最後のほうになるころには、もう何も思い出せません。単調なジグザグ登山道なので代わり映えしなく、あとから思い出そうとしても……記憶になし。

7合目~8合目 

そんなこんなでジグザグ登山道がやっと終わったと思ったら、突然岩場が登場しました。おっちゃんは岩場が大変だといいます。……そう思います。こんなとこ、素人が登れるんですか?

おっちゃんの後について、比較的足の運びが楽なように歩いていきます。しかしおっちゃんのペースに少しでも遅れるともうおっちゃんがどの岩に足をつけたのかわからなくなり、真っ白な頭状態で、とにかく目についた岩に足を乗せます。かなり無理やりな足運び。後ろで「前の人の後、いかないほうがいいよ」という声が聞こえてきました。

……ごめんなさい。おっちゃんの道順をみんなに伝えないといけないので、岩場のすごさに頭が混乱して、なんか私、足運びがしにくいところを登ってるみたいです。

ツアーだというとこで迷惑をかけるのか……。いやだなー。個人のほうが気楽だなーとか勝手なことを思いつつ、真っ白頭のまま、それでも最初のころよりはまだマシな岩を選んで登って行きます。岩場のショックはけっこう大きいので、心してかかってください。本気で真っ白になります、頭。
 最初のころはまだ先頭付近にいれたんですが、岩場が続けば続くほど、疲労はピークに。先頭から真ん中に。6合目のときはそれでも休憩時間に先頭に戻れたけど、もう戻れる体力もありません。

ステッキをつかって登っていたんですが、足場が怖くて手で岩にしがみついていたので、ステッキが直角に後ろに刺さるという……今考えれば顰蹙ものの登り方までしてました。(T_T) このときの教訓から、次年度以降、ステッキは登りのときには短めにすることを覚えました。登るときは前の人との間隔をあけたほうがいいと思います。悪気はないけど余裕がないので、すごい状態で登ってると思うので。

山小屋をいくつも超え、東洋館というところまで着ました。おっちゃんが「これから先が今日の一番の難所かな」とかなしいことを言ってくれます。思えばおっちゃんのアドバイスが聞けたのはこれが最後です。難所とやらにさしかかり、足は動かず、あげくにもう暗くなってきてて、真ん中から最後の方へと順位は落ちておりました。

いつのまにか岩場はなくなっていたけど、今度は歩きにくい砂礫。しかも急な坂。もうダメです。8合目を過ぎているので3000mはとっくに超えてる。息苦しい。昔、肺が破れたことがあるので息苦しいとがぜん弱気になるので、もう弱音吐きまくりです。ジグザグした砂礫を歩くんですが、最初の曲がり角で止まって休む。次の曲がり角で止まって休む。しないと一歩も進みません。

夕方のとばりなんかとっくに落ち、ライトをつけないといけない真っ暗な闇。はるか頭上に山小屋の明かりが見えるけど、全然近づかない。あのライトのところが白雲荘のはずなのに……。

 8合目からの夜景風景

白雲荘にたどりついたのは20:30を過ぎていました。最後の階段を上がりきったときのうれしさは今でも忘れられない。人生のうちで5本の指に入るうれしかった瞬間っていいたくなるくらい、うれしかった。

休める、横になれる、歩かなくていい! 幸せ!!

宿到着 

夕飯はカレーライス。食べ終わったらさあ休めと案内されたのが……本気かよって思うくらい奥まった寝るところで、頭と足を互い違いにして眠るという、悪名高い富士山眠りの状態でした。

……寝れるかい!?  

案の定、寝れませんでした。隣の人の足が錘になって、重い。体も動かせない。よくみんな寝るるなー。なんて思っていたら、今度は息苦しさがもっとひどくなってきました。

そういえば横になると高山病がひどくなるんだっけ。眠ると呼吸が浅くなるらしいです。やばいかなって思っておきだして、しばらく食事をしたところにいって座っていました。外からの風が入るだけマシです。人が密集してるだけで空気にごって頭が痛くなっちゃうので。

携帯酸素をぱかぱか吸っても苦しさは直らない。やばいなー、これじゃ歩けない。どうしようって思っていたら、友達が酸素じゃなく二酸化炭素を補給しろと教えてくれた。看護婦さんなので、私が高山病ではなく過呼吸だということに気づいたそうです。酸素を吸おう吸おうと意識したせいで、体内の二酸化炭素が少なくなって不調になったみたいです。彼女のアドバイスどおり、袋に息をはきます。そこに二酸化炭素がたまるので、それを吸います。気分は不良のシンナーみたいな感じ? 松村雄樹とか伊藤かずえを思い出したら、きっと同世代です。

親切な人がいて、それじゃ二酸化炭素を吸っちゃうよって教えてくれました。その人も顔色が悪かったので、たぶん高山病で大変だったんだと思います。それでも他人の様子に目を配れるのはすごいなって思います。お礼かたがた過呼吸みたいですと報告しました。友達も私よりもひどい高山病だったんですが、それでも他人の様子を見てくれたことが今でも本当に感謝です。私はそこまでの余裕はなかった。自分のことだけじゃなく、もっと他の人をみなきゃなって……末っ子特有の甘えを痛感。

友達のアドバイスのおかげで私はだいぶ治ってきたんですが、友達はますます悪化。夜中の2時が本来のご来光出発予定時間だったけど、今回はここでリタイアすることに決めました。無理はできない。どんな体調でも自分の足で下山しなくちゃいけないんだから。

ご来光・宿出発~6合目付近 

2時を過ぎるとツアー客がいなくなり、白雲荘の人が、風通しのいい部屋に変えてくれました。一人にちゃんと枕とふとんがあり、互い違いに寝なくてもいい環境で、私も友達もやっとここで仮眠をむさぼることに……。

ご来光が出るちょっと前になると宿の人が起こしてくれます。それにあわせて、ちょっと回復した友人と、ほぼ完全復活を遂げた私は、喜び勇んで外に出ます。

天気もいいし、すごい雲海だし、きれい! 明ける空というのもそんなに見たことがなかったし、なにより雲海の上から太陽が顔を出すところなんてはじめての体験で、感動しました!

 8合目白雲荘からのご来光!

つらかったけど登ってよかった! 山頂にいけない悔しさはやっぱりあるけど、それでもこの太陽を見れたのはすごいいい経験だったと思います。

宿の人に聞くと、登山道の反対側に下山道への道もあるとのこと。宿を背にすると右が下山道、左が登山道みたいな感じ? 本来は下る道を登る部分がちょっと辛かったけど、少し登るとすぐ下山道に合流できました。あとはひたすらこの下山道を下るだけです。
 

雲の上にある看板

6時くらいに出発。でも友達の高山病はまだまだひどい状態なので、ゆっくりと下ります。ジグザグな砂礫の下り坂が、ずっと下まで続いています。最初のうちは、曲がり角ごとに休憩をとったりして、スローペースで降ります。高山病は高度が問題だから下がれば楽になるというけど、友達の場合、全然かわらないみたいでした。ときたまうずくまり、長めの休憩。

それでも、もともと根性がある子なので、すぐに起き上がり歩き出します。私には真似できないなっと思ったがんばりです。途中で友達はひざが痛いといって、後ろ向きに下ってみたい、横に歩いてみたりしていました。下山道は登りよりも辛いといわれています。長いくだりは想像以上にひざに負担をかけるそうです。

私は全然ひざが痛くならなかったのでその痛みを実感することはできなかったんですが、自分の足で降りなくちゃいけないとき、頼みの足(ひざ)に痛みがあるというのは、かなり心細いと思います(←2009年追記:2009年にしてはじめてひざの痛みを感じました。あれはかなりダメージがきます^^; 痛くなったらまず靴紐がゆるくないか確かめましょう。くだりはぎゅっと強く結ばないと足が固定されないので、ひざによけい負担がかかります)

まわりの景色を楽しむ余裕は二人ともあんまりなかったけど、それでも、いい天気だったから、めったに見れない高い位置からの眺望は、いい励みになりました。写真を撮る余裕も、少しずつではありましたが回復していましたし。

6合目付近~5合目

下山の感じがかわったあたりから、気分は高揚してきました。もうすぐ着くのかな? もうそればかりです。でもここがけっこう長い。そのうち、お馬さんのたまり場の前を通ります。お馬さんに乗りたそうな友達は、「いくらなんだろう」とつぶやきながらがんばっていました。……きっと、ものすごく高いと思うよ。^^;
 

友達の誘惑はどんどん続いていて、今度は荷台を引いている馬車でした。馬の背に乗るよりは安そうです。「……いくらなんだろう」今度のつぶやきは、けっこう真剣でしたが、あいにく乗車は募集していないようなので、がんばって歩きました。

過呼吸はとおの昔に治っていたので元気はつらつだったらしく、友達のザックまで担いで私は元気に降りて来たんですが……友達は、かなりぐったり。高山病だから降りれば楽になるはずなのに、彼女は5合目に着いてもぐったりでした。5合目とはいえ2300mはあります。本来、高山病が出てもおかしくない高度。ひどい高山病になったら、5合目に降りてもまだ痛みは残るようです。

最後に、無事下山しましたよってことで名簿にチェックをいれて、百年長寿の鈴とかいうのをもらって、お土産購入。降りちゃえば、ほっと一安心。11時くらいだったかな? かなり遅い状態で降りてきました。8合目からのリタイアなのに、頂上から戻ってくる人より遅くなっちゃいました。高山病は怖いです。富士山は自分の足だけが頼りだっていうことを、改めて感じました。

温泉 

山から下りてきたので、あんなにひどい高山病だった友達はみるみるうちに完全復活。高度がなくなったら本当に元気になっていました。高山病の真髄を見たような気分になりました。本当にどんなに辛くても、山さえ下りればケロっと治るんだ、高山病って……。

そんなこんなで、なんだかんだでバス出発が遅れていたみたいですが、無事温泉に到着しました。……っていうか、ここは湯宴ランド? それとも銭湯を大きくした感じ? ^^; という、なんか地元ローカルな温泉に連れて行かれました。

……地元のちょっと大きな銭湯。それを想像していただけるとバッチリだと思います。でも1日半ぶりのお風呂ですから、気持ちよかったです。やっぱり登山のあとは温泉だよね! 足の疲れも温泉に浸かれば治るさ、きっと!

後日談

……ふ、足の疲れは温泉なんかじゃ全然癒されなかったようです。(T_T)

次の日私は人間ではなくなっていました。ロボットです。人間らしいやわらかい動きはできず、直角にしか曲げられません。和式トイレなんかに入った日には、立ち上がれないくらいのダメージです。

そんなダメージは……数日続き、土日で登り、月曜は有給。火曜は地獄の中で仕事をし、何とか痛みが耐えられるようなったのは木曜日。^^; えっと……これは、私が歳ですか? それとも、はじめての登山ってこんなものですか?

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